アルジャーノンに花束を
アルジャーノンに花束を昔日本でもテレビドラマ化は2回されていて
そのイメージがとても強かった
しかし原作というものを知らなかった、たまたま本屋に立ち寄った時にオススメの棚の片隅にアルジャーノンに花束をが置いてあった
あ、これなつかしいなぁ
ユースケ・サンタマリアさんのドラマ観てたなぁとそんな位の印象だった
そして、手に取ってみてパラパラとページを読んでみる
まず何より本編前の序文に虜になった
「この小説に登場する何人かの人物に自分をかさねあわせることができるのなら、あなたは、知能ばかりか、深い洞察力と感受性とをそなえています」
この序文通り読み進めていくと色んな人物に何かを投影しながら読んでいる自分がいる
最初知能指数が低い主人公チャーリーの書き方
「けいかほおこく」が「経過報告」に変化しその人格や価値観が変わっていく様
その葛藤や周りの人間の惑いも読んでいて感慨深い
ある日 自分よりも下と見ていた人物が利口になった、別人のように、きっと今までは相手の弱さという物を見つけて自分が強いと思う、そう自我を保つという事の1つが自己肯定感みたいなものなのだろうか
しかしチャーリーは知識は向上しても色々なバランスは取れていない、そんな彼に自分は共感した
思考回路と行動力はまた別物でチグハグなのだ
自分自身精神疾患と長年付き合っている、子供の頃のトラウマや数年前に起きた事故での後遺症
それと照らし合わせていたのかもしれない
物語は進みチャーリーはまた知能指数の低下が進んでいく、しかしそれでもチャーリーはチャーリーなのだ
愛くるしく、思いやりがあり、ひたむきな心をもつ人物
一瞬でもお利口と言われていた時間 それが幸せだったのか 知ってしまったからこその苦悩
この1冊の中には 様々な感情が散りばめられている
きっとまた読み返すだろう