一息つきたい心の休憩所

自分自身の心の吐き出し 休憩所のような場所にしたい

生きていた事、生かされた命⑪

入院生活も2カ月近くになってきてリハビリの先生や看護師さんからは「hayatemaruさんは転院の話とかって無い?」と多く聞かれるようになってきた

急性期病院という事もあり普通だったら結構早い段階で転院の話が出る事が多いらしいのだが、自分の場合なかなか話題にならなかったので皆それを気にしていたみたい

リハビリの先生や看護師さんも「もうここまできたらリハビリ転院もしないでここの病院で退院していってもらいたいなぁ」と言われてたし俺も2カ月も過ごしているともう住人のような感覚になっていた

しかしこの話をしてから少し経ってから「hayatemaruさん転院が決まりましたよ」と言われドキッとしたし

えー嘘だ~慣れた場所から離れたくない~という思いが強く

リハビリ転院も凄く不安だった

まずはどこの病院が良いかいくつか候補を上げてその中で自分が転院する病院を決めてもらうという流れになった

身体も徐々に回復してきたし本来だったら喜ばしい事なはずなのに、寂しさが大きくなって病院から離れたくないというなんという矛盾

そんな事をリハビリの最中に先生と話していた時「本当はhayatemaruくんと最後まで一緒に頑張ってリハビリできれば良いなって俺も思ってたけど寂しいねぇ でもこのリハビリ転院を武者修行だと思って頑張ろう!!」と応援してくれました

一応このリハビリ転院してそこの病院を退院したらまた外来で今の病院に戻ってくるという説明をされた

とにかく転院までの残りの日々も感謝しながら過ごそうと思った

今の病院に運ばれて命を救われたんだもんそりゃ思い入れも出てくるよね

怪我をしてから2カ月以上も過ぎて12月になった

この期間1度も外にも出ていない、外の空気も感じる事もできない閉鎖的な空間で辛くても過ごすことが出来た事は周りの人達の優しさに触れる事が出来たのが大きかった 本当に感謝しかありません

転院の日程も決まった12月9日

転院前の最後の夜に大部屋の皆さんと消灯までの時間沢山話もした

俺がなんで怪我したのかどんな職場で働いていたか

癌治療をしていたおじいさんから言葉をかけてもらった

「hayatemaruくん もしね退院して身体が元気になったら君はそこの場所から離れた方がきっと良い 君には人権があるそしてそんな場所では君の心も身体もまた壊れてしまう こんな爺さんが言ってる事で説得力は無いかもしれないけど一緒の部屋で過ごせて君の人柄には凄く助けられたよ、明日君はここを離れるけど私は癌の治療を頑張るよありがとう」

こんなにも多くの人達に素敵な言葉をかけてもらえて恐縮です

その言葉を噛みしめながら眠りにつきました

12月9日の朝 天気は凄く良い 窓からは綺麗な青空が見えた

さて、転院の準備で荷物をまとめ始めた入院生活が長くなっていた事もあってだいぶ多くなっていた荷物

もう鞄にも入りきらなくなってしまった時

丁度同じ病室の患者さんの1人もこの日に退院で「良かったらこれを使って」と大きな紙袋をくれた

ありがとうございました

それに残りの荷物を詰め込んで準備は整った

時間になり家族が迎えにきた

先に外で待っていてもらい俺はお世話になった人達に出来る限り挨拶をしてから病院を出たかった

ナースステーション 救急の先生達 リハビリの先生達と車椅子を足で漕ぎながら順番に挨拶に回った

リハビリの先生とは最後に強く握手をして「普通は両手も折れてて骨盤まで骨折してる状態から泣き言も言わないでここまで復活したのは凄い事だよ!次に会う時は両足で立って歩いて元気な姿を見せてね約束だよ」

先生達の力がどれだけ助けになっていた事か だから頑張れたんですよ

ありがとうございました

挨拶も終わり

久しぶりの外へ

季節は変わり夏から冬へと あれだけ暑かった季節の空気は全く感じず

外の空気を吸った時の寒さで鼻の奥がツンとするような感じが今でも思い出します

あ~久しぶりに外に出れたんだなという感覚

すぐに車に乗り転院先の病院に向かったので外にいたのは短い時間だったけど

少しだけ現実に戻ったような不思議さ

新しい病院に着くまでは不安と緊張 どんな環境になるのかなぁという思い

ここからは不安だけど本格的なリハビリの始まりだ またいろんな人達の力を貸してもらおう そして俺はそれを努力で返そうと誓いました